○五木村懲戒処分の指針
令和元年7月19日
訓令第1号
五木村懲戒処分の指針(平成18年五木村訓令第4号)の全部を改正する。
この指針は、職員が違法行為や全体の奉仕者としてふさわしくない非行等(以下「非違行為」という。)を行った場合の懲戒処分の標準的な処分令を明らかにすることにより、村民の不信や疑惑を招くような不祥事を防止し、村民の村政に対する信頼を確保することを目的とする。
第1 基本事項
本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な処分例を掲げたものである。
具体的な処分内容の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合はどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮のうえ判断するものとする。個別の事案の内容によっては、標準的に掲げる処分以外とすることもある。また、第2に掲げる複数の非違行為等に該当する場合は、標準例より更に重い処分を行うこともある。
なお、標準的に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては、標準例に掲げる取扱を参考としつつ判断する。
第2 標準例
1 一般服務関係
(1) 欠勤
ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告する。
イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。
ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。
(2) 遅刻・早退
正当な理由なく、勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、当該遅刻又は早退により勤務を欠けた時間数を日数換算のうえ、(1)の例による。
(3) 休暇の虚偽申請
病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした職員は、減給又は戒告とする。
(4) 勤務態度不良
勤務時間中に職場を頻繁に離れて職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。
(5) 他の職員に対する暴行・暴言
ア 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した職員は、停職又は減給とする。
イ 他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した職員は、減給又は戒告とする。
(6) 虚偽報告
事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、減給又は戒告とする。
(7) 違法な職員団体活動
ア 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反してストライキ等の争議行為を行い、又は職場の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員は、免職又は停職とする。
(8) 秘密漏えい
ア 職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。
イ 具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。
(9) 違法な政治的行為
地方公務員法第36条第1項又は同条第2項の規定に違反する政治的行為を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。
(10) セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)
ア 暴行若しくは脅迫によりわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力により強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。
イ 相手の意に反することを認識のうえで、わいせつな発言、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな発言等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合において、わいせつな発言等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度のストレスによる精神疾患を発症したときは、当該職員は免職又は停職とする。
ウ 相手の意に反することを認識のうえで、わいせつな発言等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。
(注) 処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮のうえ判断するものとする。
(11) 営利企業等の従事
許可なく営利企業等に従事した職員は、減給又は戒告とする。
(12) 官製談合
入札談合に関与行為を行った職員は、免職又は停職とする。
(13) 倫理違反
ア 賄賂を収受した職員は、免職又は停職とする。
イ 利害関係者から供応接待を受けた職員は、停職、減給又は戒告とする。
ウ 利害関係者と違反となる飲食、遊戯、ゴルフ又は旅行をした職員は、減給又は戒告とする。
(14) 公文書の不適正な取扱い
ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員は、免職又は停職とする。
イ 決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。
ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。
2 公金、公物取扱い関係
(1) 横領
公金又は公物を横領した職員は、免職とする。
(2) 窃取
公金又は公物を盗んだ職員は、免職とする。
(3) 詐取
人を欺いて公金又は公物を取得した職員は、免職とする。
(4) 紛失
公金又は公物を紛失した職員は、戒告とする。
(5) 盗難
重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った職員は、戒告とする。
(6) 公物損壊
故意に職場において公物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。
(7) 出火・爆発
過失により職場において公物の出火、爆発を引き起こした職員は、戒告とする。
(8) 給与等の違法支払・不適正受給
故意に法令に違反して給与等を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして給与等を不正に受給した職員は、減給又は戒告とする。
(9) 公金公物処理不適正
自己保管中の公金の流用等公金又は公物の不適正な処理をした職員は、減給又は戒告とする。
3 情報資産の取り扱い関係
(1) 個人情報の不正利用等
ア 職務上知ることができた個人情報を自己又は第三者の利益に供するために個人的に使用する等不当な目的に使用した職員は、免職、停職又は減給とする。
イ 個人情報の閲覧、取得、漏洩若しくは改ざん等不適切な処理等により個人の人格的利益を著しく侵害した職員は、減給又は戒告とする。
(2) コンピュータの不適正使用
職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。
4 公務外非行関係
(1) 放火
放火をした職員は、免職とする。
(2) 殺人
人を殺した職員は、免職とする。
(3) 傷害
人の身体を傷害した職員は、停職又は減給とする。
(4) 暴行
人に暴行を加えた職員は、減給又は戒告とする。
(5) 器物損壊
故意に他人の物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。
(6) 横領
自己の占有する他人の金品(公金及び公物を除く。)を横領した職員は、免職又は停職とする。
(7) 窃盗・強盗
ア 他人の金品を盗んだ職員は、免職又は停職とする。
イ 暴行又は脅迫により他人の金品を強奪した職員は、免職とする。
(8) 詐欺・恐喝
人を欺いて金品を取得し、又は人を恐喝して金品を取得した職員は、免職又は停職とする。
(9) 賭博
ア 賭博をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 常習として賭博をした職員は、停職とする。
(10) 麻薬・覚せい剤等の所持又は使用
麻薬・覚せい剤等を所持又は使用した職員は、免職とする。
(11) 酩酊による粗野な言動等
酩酊して、公共の場所や乗り物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員は、減給又は戒告とする。
(12) 淫行
18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員は、免職、停職又は減給とする。
(13) 痴漢行為
公共の場所又は乗物において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。
(14) 盗撮行為
公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員は、停職又は減給とする。
5 交通事故・交通法規違反関係
(1) 飲酒運転
ア 飲酒運転で、人を死亡させ、又は傷害を負わせた職員は、免職とする。
イ 飲酒運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において、物の損壊に係る交通事故を起こして必要な措置を講じなかった職員は、免職とする。
ウ 飲酒運転をしていることを知りながら同乗した職員、又は自動車等を運転することを知りながら飲酒を勧めた職員や飲酒運転をすることを知りながら自動車等を提供した職員は、免職又は停職とする。
(2) 飲酒運転以外
ア 人を死亡させ、又は重傷を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において、事故後の必要な措置を講じなかった職員は、免職又は停職とする。
イ 人に軽傷を負わせた職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において、事故後の必要な措置を講じなかった職員は、免職又は停職とする。
ウ 著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において、物の損壊に係る交通事故を起こして必要な措置を講じなかった職員は、停職又は減給とする。
(注) 処分を行うに際しては、過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮のうえ判断するものとする。
6 監督責任関係
(1) 指導監督不適正
部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給又は戒告とする。
(2) 非行の隠ぺい、黙認
部下職員の非違行為を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給とする。
7 内部通報及び告発関係
(1) 非違行為に事実を内部機関に通報した職員は、通報したことにより、いかなる不利益も受けないものとする。
(2) 非違行為の事実を、自ら発覚前に申し出た職員に対しては、懲戒処分の量定を軽減できるものとする。
(3) 職員が行った非違行為のうち、刑事事件に係る事案については、刑事訴訟法に定めるところにより告発又は告訴を行う。
第3 懲戒処分等の公表
1 公表する処分
(1) 地方公務員法に基づく懲戒処分
(2) 諭旨免職
(3) 地方公務員法に基づく分限休職処分(刑事事件に関し起訴された場合に限る。)
(4) 上記(1)及び(2)に関連しての服務監督者に対する訓告
2 公表する内容
被処分者の所属部局・階級・年齢、処分の種類・時期、事実の概要
3 公表の例外
被害者及びその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合は、公表する内容の一部又は全部を公表しないことができるものとする。
附則
この訓令は、令和元年8月1日から施行する。